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Eczema
頭部や顔面、前胸部や腋窩、陰股部などの脂漏部位(皮脂が出やすい部位)に赤くカサカサした湿疹ができる病気で、いわゆるフケ症もこの一種です。皮脂腺が活発になる思春期以降によくみられます。
皮脂が細菌によって分解されて生じる分解産物や過酸化脂質が皮膚に刺激を与え皮膚炎がおこります。皮脂の分泌過剰が原因と考えられますが、最近ではマラセチアというカビの関与も注目されています。ビタミンB群の不足、疲労やストレスなどでも悪化することもあります。
症状が強い時はステロイド剤の外用、落ち着いたら予防的に原因の一つであるマラセチアに効果がある、抗真菌剤の外用を行います。日常生活の注意としては、適切な洗髪を行い、緑黄色野菜などのビタミンB群や食物繊維の多い食事を心がけ、寝不足や疲労、ストレスを避けましょう。
手湿疹は手に接触する物質による刺激やアレルギー反応によって発症します。毎日水仕事をする主婦や、パーマ液やシャンプーをよく使う理容師・美容師の方によくみられます。
皮膚の表面は皮脂膜で保護されています。主婦の場合は台所用洗剤の使用、理容師・美容師の場合は頻回のシャンプーなどにより皮脂膜が除去されて、皮膚のバリア機能が弱くなってしまいます。そのために手の表面に刺激物質が付着すると、刺激反応やアレルギー反応を起こしやすくなって湿疹ができやすくなります。手を保護するために用いるゴム手袋が原因で、手湿疹が悪化することもあります。
手洗いやシャンプーの後は必ずハンドクリームなどで保湿し、皮膚の表面を保護しましょう。台所での食器洗いなどの時は手袋の着用が効果的ですが、直接ゴム手袋をするとゴム自体の刺激で悪化することがあるので、薄い木綿の手袋をしてからゴム手袋を着用することをおすすめします。スキンケアで症状が改善しない場合は、皮膚科専門医を受診して適切な治療とアドバイスを受けて下さい。
いわゆる乾燥肌のことです。皮膚の表面の脂(あぶら)が減少することにより、皮膚の水分も減少して乾燥する病気(皮脂欠乏症)です。特に中高年者の下腿 によくみられ、皮膚がカサカサしてきます。またかゆくなって、引っかいたりすると悪化して湿疹(皮脂欠乏性湿疹)ができたりします。空気が乾燥しやすい秋 から冬にかけて症状が出はじめ、夏には自然に軽快することもあります。つまり皮脂欠乏症が悪化して皮脂欠乏性湿疹となります。
加齢による皮膚機能の低下する皮膚の老化が進行するためです。
また冬は空気が乾燥しやすく、室内の暖房も皮膚の乾燥に拍車をかけています。他にも、入浴時にゴシゴシ洗いすぎると皮脂がとれてしまい乾燥してしまいます。
湿疹がみられている場合はかゆみを抑える飲み薬や、湿疹を抑える塗り薬が必要ですが、一番大切なのは日常生活での普段からの心がけです。冬など空気が乾燥 する時期は、加湿器を使って室内の湿度を保ちましょう。入浴時はぬるめのお湯に適度につかり、体を洗うときは刺激の少ない石鹸で、優しく洗いましょう。気 持ちが良いからと言ってナイロンたわしなどでゴシゴシ強く擦るのは絶対にしないで下さい。保湿作用のある入浴剤の使用もいいでしょう。入浴後は保湿剤での スキンケアも大切です。下着は木綿などの刺激の少ないものにし、アルコールや香辛料などは体が暖まり、かゆくなりやすいので控えめにしましょう。
秋から冬にかけ、空気の乾燥とともに肌も乾燥してきます。もし、皮膚がカサカサしてきたり、かゆくなってきた場合は早めにご相談下さい。保険診療にて、保湿剤(クリームやローション)、湿疹が悪化している場合はステロイド外用剤を併用するなど処方し治療いたします。
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